この1週間、むくみを訴えられる患者さんが特に多かったです。
意外に感じるかもしれませんが、秋はとてもむくみやすい季節なのをご存知ですか?
原因としては、
①気圧の変化と寒暖の差に身体がまだうまく適応できていないこと
②日中はまだそれほど寒くないため、冷え対策が甘くなってしまうこと
③夏より汗をかく量が減る分、尿で老廃物を出そうとするため、腎臓に負担がかかりやすく、働きが追い付かずに老廃物の排出が滞り、体内に留まりやすくなること
などが挙げられます。
患者さんに、
「リンパマッサージをすればむくみって取れるんですよね?」
とよく聞かれます。
「そうなんです!マッサージしてればいいんですよ!」
と答えれば仕事柄いいのだろうけれど笑、
マッサージだけしていればむくみが取れるのかというとそうではありません。
そもそもリンパ液って何でしょう?
人間の身体は、60兆個の細胞から成り立っていて、それら一つ一つが働くことで生きています。
細胞が一生懸命働くとゴミ(老廃物)が出ます。
ゴミ(老廃物)が身体に捨てられっぱなしだと大変なので、
ゴミ収集係を担ってくれているのが静脈の血液とリンパ液です。
静脈の血液とリンパ液がゴミ収集車とすると、
血管とリンパ管が各家庭とゴミ工場を繋ぐ道路
心臓が工場と例えられます。
普通ゴミ90%は静脈が回収し、
残り10%の大きな粗大ゴミや危険取り扱いゴミ(細菌の死骸など)はリンパ管から回収する仕組みです。
そして、
リサイクルできるものは綺麗に浄化され、再び心臓から送り出されるというシステムです。
この一連の流れが循環系の「代謝」
と言われるものです。
「代謝が良いよね!」
と言われる状態というのは、
60兆個すべての細胞に酸素と栄養が届き、
ゴミがスムーズに回収され、
再利用できるもの、できないものに分類され、
身体から汗、尿、便がきちんと出る、
この工程がトラブルなく行われている状態です。
そのためには、
心臓が拍動している
筋肉と関節がポンプとしてよく動いている
消化管がしっかり働いている
呼吸がきちんとできている
自律神経のバランスが保たれている
皮膚の温度が適温である(36~41度でリンパ管の吸収能力が上がるそうです)
といった事が必要です。
表層にあるリンパ管の働きは、交感神経によって血管が収縮して抑制され、副交感神経で活性します。
ということは、
強いストレスで自律神経のバランスを崩すことがむくみの原因にもなるということです。
ですので、
むくみ予防には、
胃腸の調子を整える、
深い呼吸を意識する、
冷やさない、
適度な運動をする、
ストレスを溜めない
といったことが大切になってくるのです。
それを踏まえた上で、
マッサージ、
身体を温めるお灸、
水分代謝をよくするツボに鍼をする
といった治療でお手伝いしてあげれば、
効果が倍増するという訳です。
日常生活のお話を伺いながら治療させていただきますので、
お気軽にご相談くださいね。